作っているのは、
踊っている人間です。
イタツキの作者は、ダンサーです。舞台の世界は、いまもデジタル化が進んでいません。立ち位置の指示は口頭で流れていき、メモを取る人もいれば、取らない人もいる——記録は、それぞれの記憶頼みです。
しかも立ち位置は「水物」です。その時の表現ひとつで、場所はすぐに入れ替わる。変わり続ける正解を全員で追いかけるには、紙のフォーメーション表では、正直間に合いません。
私自身、フォーメーションツールをずっと探してきました。でも、「これだ」と思えるものには出会えなかった。足りなかったのは機能の数ではなく、練習の合間にサッと使える「操作手数まで考えた設計」でした。
AIで誰でもツールが作れる時代です。だからこそ、差がつくのは「何を作るか」の設計。現場で本当に困った瞬間だけを機能に変える——イタツキは、その積み重ねで作られています。
そしてもうひとつ、こだわったのは「無駄」です。無駄のない人生も、無駄のない踊りも、きっとつまらない。だからイタツキには、なくても困らないアニメーションを、あえて入れています。その小さな無駄が、開くたびにちょっとワクワクするUI・UXになると信じて。